★お世話になりました。
2014年2月24日
from:神戸のそば屋から
by :鳥羽 洋史
「今まで、ありがとうございました!お世話になりました」
当店の男の子の言葉です!
思い起こせば、3年近く前、
アルバイト募集の店頭の張り紙を見た、高校1年生の男の子
ピークタイムがそろそろ落ち着き
うちのホール担当が、店前で並んでるお客様の接客に出てた時
「大将~~なんか男の子がアルバイトしたいって来てます!」
と従業員
「え~ いきなりか? しゃーない 裏に 回らして~」
と私
「大将~~~どっかいってもて もうおりませんでした」
と従業員
「なんやなー 忙しいの見て、ビビって帰ってもたんか~」
と思っていると
小一時間ほどしたらまた現われました。
久しぶりの男の子で、珍しかったのもあり
急きょ、面接の時間を取りました。
「何年生?」
「高校1年です。」
「履歴書持ってきましたか?」
「えっ~ 、、、、 忘れてきました。」
「なんのタメにアルバイトをするのですか?」
「えーっと、あの~ えーっと お金が欲しいからです」
「なんでうちの店で働きたいと思ったのですか?」
「家が近いからです!」
この質問だけには、即答しました。
わたしは、その答えを聞きながら、
笑ってしまいました。
この年頃の男の子
女の子と比べて、なんて、子供っぽいというか
頼りない感じ。
しかし、私はその子のなんか純粋そうな顔が気に入り
採用を決めました。
採用したのは良いが、
大変でした。
ホールを歩かすとガニ股歩きで、、、
お客様のところに商品を持っていかすと屁っぴり腰、、、
商品を厨房に通す時の言い方も、怒ったみたいな通し方
「こりゃー 大変だ!続くやろかー?」
と心配していました。
男の子ということもあって私も他のアルバイトの子達よりも
厳しく、いちいち小さなことでも口うるさく
教育していきました。
「ここは、学校と違うねん、出来んかったらあかんねん!ちゃんと覚えてこなー
お客さまからお金もらうねんから、もっとプロ意識もたんとあかん!」
「辛い?当たり前やろ!家で練習もせんと適当に来てて、楽しくなんか仕事
出来るわけないやろー 何も自分で努力もせんで、楽しいかたったら
こっちが、お前からお金もらうで~~ 」
こんな酷いことを私は言ってたみたいです。
しかし、そんな私の言うことやすることを素直に見聞きし、
また実行して、
一年もしないうちにどんどん成長しました。
わたしも本当に感心しました。
最近では、アルバイト達のリーダー的な存在になり、
彼を慕って、当店のアルバイトに応募してくる高校生もいるほど
です。
わたしもわが子以上に気持ちが通じる一人になっていたのです。
その彼が、、、、
横浜の大学に進学するため
今日で当店を卒業することになったのです。
それが、冒頭の
「今まで、ありがとうございました!お世話になりました」
です。
わたしの顔をしっかり見て、丁寧にお辞儀をして店を後にしました。
なんか、うれしいのか、寂しいのかわからないですが、
涙が、出てきました。
鳥羽
2014年2月24日(11:01 PM) | カテゴリー:◆繁盛店主の考え方
